作品解説 社会

【ドント・ルック・アップ】人間という種族の在り方に思うこと

人間は生まれながら「役者」です。
あらかじめ決められた物事に従事することを覚え、それはやがて慣習として身体に染み込みます。
そして、繰り返される日常に身を捧げることで、それを人生として昇華できる。自己完結型の才能を持っています。

しかし、それだけでは動物はおろか昆虫類と大差ないという疑念があります。

自らの遺伝子を残すことを生存本能とするのであれば、何故、言語というコミュニケーションの手段や知性を獲得したのか。

五感を持ち合わせて生まれてきた生物として果たせる役割は無いのか。

先人たちの辿ってきた道である歴史は教材であり、世の中の構成要素の起源を知り得ることができるようになりました。

自然による災害には地震や津波に限らず、自然発火による山火事といった火災や気候変動による災害。それによって起きてしまう飢餓など、宗教やお説教の教えではなく、事実として現実には人間に基づかない苦難がそこにあります。

人間が種族としてそういった苦難に見舞われた時に、果たして乗り越えられることができるでしょうか?

我々が生きている人生には己の中で「物質」ではないものが影響を及ぼしています。
その行為の意味、行動を起こしてしまった精神的素養がどこから生まれたのかを知ろうとしなければ他者のことさえも何も解らない。痛みを理解できない。


「魂」という自我を宿した「自分」とは一体どういう存在なのか。

獲得した知識や感性によって、自己認識しようとすらしていないのが人間です。

自己欺瞞に陥っている人類は、決して生き物として貴い存在には成り得ないのであり、この問題を共通認識にしなければ、種族としての先は無いのでしょう。

こういった懸念や誰かの警句を嘲ったり物笑いの種にすることは非常に簡単です。

しかし、これらに耳を傾けることができなければ、気付かぬ内に思考を放棄して手足をもがれた末、自分どころか大切な存在も守ることは叶わない、無力と化した畜生以下の種族として終えてしまう。

そんな恐怖に襲われるのは、おそらく考え過ぎではないと思う今日この頃です。

ドントルックアップ全人類見てください(結論)

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