社会 解説

世の中自身が「正しい議論の場」に立つ気がない無自覚が招いている危険について

あらかじめ断っておきますが、歴史を読んだり仕事上や勉強で必要な分だけ毎度お金を払わされている分、良い印象なんてまったく持っていませんが、とりあえず結論として「どこのソースだよとんかつ?オイスター?」風評被害を受けてるのがさすがに不憫だったので解説します。

発展途上国に対する理解について

大前提として「人口増加率の高い貧しい国々」は、絶対的貧困基本的な必需品の不足という問題に直面している現実があります。
飢餓、栄養失調、劣悪な衛生状態、教育の欠如、限られた医療施設、あらゆる原因が高い死亡率に直結しています。
それに加えて文化的信念や歴史的慣習、経済的要因が貧困国における出生率に寄与し、貧困の悪循環に繋がっている。これらの下で子供を産むということは命懸けかつリスキーでありながら、労働力を確保するためにとにかく産めよ増やせよという苦しい価値観です。

ここで世界の人口は90億人まで急速に増加すると仮定した場合、グローバルヘルスケアとしての医療技術向上、出産に関するサービスや避妊の教育が施されて乳児死亡率やら「子供の死に関する不安」が軽減されれば「出生率」も落ち着きます。これは人口爆発の抑制にも繋がって「CO2の排出量」や「地球環境」に影響を及ぼす懸念の解消を目指すものであり、この取り組みには意義がある。

以上が2010年のTEDカンファレンスで『ゼロへの革新』というテーマで「ワクチンが人口の増加を抑えることができる」という言葉が「切り抜き」と「曲解」を重ねられた末にソーシャルメディア上で拡散された「人口削減」提唱者と化したビル・ゲイツでした。

グローバルヘルスに対する取り組みと警句

他にも1930 年代に 500 万人以上の死者を出し、常に 2億人以上に影響を与えてきました。マラリアは大きな影響を与えているにもかかわらず、影響の少ない他の病気に比べてマラリアへの投資は少ない。マラリアは貧しい国々に大きな影響を与えており、投資の面では無視されてきたことに取り組んで「kunndariKIPP チャーター スクール」は、優れた教育を優先し、教師を継続的に改善することで、目覚ましい成功を収めているという活動の報告など。

2015年のTEDでも核よりもウイルスのパンデミックは危険という訴えかけで、核抑止力への投資は高い一方で、伝染病を阻止するシステムへの投資はほとんど行われていないこと。人材不足と治療方法の不足を訴えるものです。
エボラは、伝染病に対する私たちの備えの不足の一例で、準備不足がポリオ撲滅活動を妨げた。エボラ出血熱の流行は、医療従事者の英雄的な努力、ウイルスの性質、エボラ出血熱は空気感染しないため、感染した人は寝たきりになるだけで留まりました。これは幸運に、感染は多くの都市部には広がらなかったおかげで封じ込められました。

スペイン風邪の流行により3000万人以上が死亡した歴史もありますね。今はテクノロジーと生物学の進歩により、優れた対応システムを構築できる。
戦いから得た教訓は、私たちにどのように備えるべきかを教えてくれます。感染拡大を早期に発見するためには、貧困国にも強力な医療システムが必要です。現行の部隊だけではなく医療予備部隊が必要で、疫病により世界の富は減少し、伝染病に備えなければ、何百万人もの死者が出る可能性があります。こうした投資は、単に伝染病に備える以上の利益をもたらします。慌てる必要はありませんが、今から準備を始める必要があります。エボラ出血熱の流行は、次の流行に備えるための早期警告となる可能性がある。

こんな感じで遥か昔から貧困国を含めたグローバルヘルスの取り組みに目を向けていた中で、ワクチン開発や医療の改善が人口爆発に及ぼす潜在的な地球環境規模の影響について議論していたら、いつの間にか人々を支配したり、ワクチンで金儲けするために新型ウイルス危機を利用していると「責任転嫁の対象」としてやり玉に挙げられているわけですね。

「人口削減ってハッキリ言ってる!」ってそもそも公の場でそんな事言う間抜けが巨悪ってしっかり考えたらそれおかしいでしょって流していましたがしっかり「情報源を辿ろう」とする気があればデマだと分かるわけです。

家族や知人、周りから距離開くとますます依存度高めて「結束」が強めながら孤立させるのが「洗脳の常套手段」なので、否定すると今までの自分を覆すことになるという心理的動揺があるかもしれませんが。
これに関しては『ちゃんと正しい意味での「調べてる人」は居ない』というここまでの事態は流石に言葉を失いました。

「識字」しかできないからこそ「歪められる言葉」

「5G」「マイクロチップ」のよくあるネタはサイエンス・トランスレーショナル・メディシン誌(Science Translational Medicine)で発表された論文の「量子ドット」という近赤外領域の可視光に近い光を発する粒子を皮膚に埋め込んで医療記録できる物質についての論文が元ネタだ。
論文の筆頭執筆者、コッホ研究所(David H. Koch Institute for Integrative Cancer Research)のケヴィン・マックヒュー博士は、追跡監視やマイクロチップはまったく関係がないと語る。
「どこから出てきた話かも分かりません。量子ドットは、光を発するだけです」
時勢的にタイムリーだったのも不運だが、ほんのわずかな真実で味付けされたストーリーとして、どっかの「発信者の金儲け」に利用されているわけです。

医療記録を「患者自身」に書き込む――量子ドットで情報を皮膚下に埋め込む技術を開発 - fabcross for エンジニア 米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームは、量子ドットでできたインクを使って皮膚の下に医療記録を埋め込む技術を開発 engineer.fabcross.jp

量子ドットの生体皮膚浸透と代謝 | 文献情報 | J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター 文献「量子ドットの生体皮膚浸透と代謝」の詳細情報です。J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンターは、国立研究開発法人科学 jglobal.jst.go.jp

いくら識字率が高くても頭の中身が「見た、聞いた、勝った」の手順だから何も誇れない。マイクロチップやら5Gという「既知のキーワード」を用いられるのはそういうことです。

しかし、14世紀にヨーロッパに広まり数百万人が亡くなった疫病である「黒死病」はユダヤ人の仕業だと矛先を向けられたわけですが、見事に歴史は繰り返しますね。

世界の目の敵にされ続けるユダヤ

キリスト教はユダヤ教に起源を持ちますが、その後分離してユダヤ教をルーツとしたキリスト教が世界に広まって固定観念化されたものです。
キリストが神の子であるというキリスト教の信条を共有しなかったことは彼らの怒りを買い、ユダヤ人がキリスト教徒の子どもの血を儀式的目的で使用したという「血の中傷」という悪意の流布が

4世紀のアンブロジウスの「資本を超えたものを受け取ってはならない」という教義によって穢れた職業として禁忌されていた金融業に手を出さざるを得ない。しかしそのためにさらにキリスト教徒から蔑まれていき、「反ユダヤ主義」は20世紀に入ってもユダヤ系財閥が金融などを通じて影響力を持つと共に、反ユダヤ主義は根強く広がりました。

それを先鋭化させて誰かが書き出していた各国言語で翻訳されたのが、小説ネタや思想書をパクって継ぎ接ぎされた『シオン賢者の議定書』という、まさしくユダヤ人が選民として世界を支配しているという陰謀が世界に流布されました。そしてこれがドイツ語に翻訳され、国民社会主義ドイツ労働者党政権にユダヤ人大量殺戮を引き起こさせるきっかけを与えました。

石油産業の統合を進める過程アメリカの代表する産業に成長させ、子供たちをヨーロッパに分散させて生き延びた例の一族は、ハッシュタグが人間を繋げる性質を持った「いじめの相手」として好都合です。
人を周囲と繋がる為のネタとして当てはめようとすると、印象付けられる言葉は「金持ちは悪」である以上のいじめネタを彼らは背負っているわけです。

匿名掲示板の文化に注目してみると「4chan」は反ユダヤ主義や信用詐欺、白人至上主義の思想が合流する場所として、アンダーグラウンドなネット文化を苗床として成長してきた。
SNSはそのコミュニティの入り口案内人を務めているわけです。

4chanや株主の日本企業に銃乱射事件の責任を問う訴訟には、「法解釈の限界」という壁が立ちはだかっている ニューヨーク州バッファローの銃乱射事件の遺族が、テック大手やネット掲示板「4chan」といったプラットフォームに対して20 wired.jp

ネタが生産される「文化的土壌」がどのようなものかで動機や信頼性が判別つけられるという意味では「ロスチャイルド」姓に対する悪意と反感は本物ですね。

『成長の限界』による悲観論からの誤解と不勉強


1972年にローマ・クラブが人類の未来についての研究をまとめた『成長の限界』という報告書を出版したデニス・メドウズという人が「世界人口や工業化に環境汚染やら資源や食料の枯渇で地球は100年も持たないぞ
未来を予測するという極めて困難な作業の結論が、某ガンダムで有名なギレン・ザビやらシャア・アズナブルやら冨野作品のキャラクターみたいな反人間主義に立っている論説がベストセラーとなった。
当時からトレンドだったわけですね。

人類の未来についての研究をまとめたら、供給は等差級数的にしか伸びないので、需給バランスが破綻して有限の惑星における無限の経済成長は不可能だし人間次第ではすぐに滅びかねないぞという懸念やテーマが、いつの間にか「世界の富裕層は秘密裏に組んで人口削減」を狙っている証拠だという「聖書」として置き換えられました。
これが彼らが世界滅亡について度々議論しているという言説の大元です。

まあ確かに「ビルダーバーグ・クラブ」のように国際フォーラムのような会合は設けられている。これは北米と西ヨーロッパの重鎮が集って会議は非公開で「欧州と北米の対話を促進する」ための手段と定義され、取材が認められていないことから、秘密主義に対する批判や、怪しげな企みが行われているのではないかとの疑念を招くものがあります。
しかし、政府や企業、団体の正式な見解とは見なされない」で、世論の圧力を気にせず、自由に意見交換して際どい問題にも自由に討議することができる場所で、じゃあ彼らの「会合を公開しろ」ってなると「発言を切り抜いて誤解を与えるような印象操作」や、発言が株価に影響を及ぼすものとなって「市場を乱さない自制心」など、一般市民にもより多くのモノが求められるわけですが、それをどう受け止めているのかって話です。

「地球環境の汚染」や「人口爆発や感染症」をテーマにした古典作品や、SF作品ならガンダムとかのアニメ作品でも散々言われてきていることです。
それを「誰かが予言していた」とか真顔で騒ぐ無知を晒すなど「生きてて何も考えてないのか」って私ですら感じることはあるので、彼らを責めることはできないと正直思います。

正解という名の「思想」を安直に求めるな

そもそも物事を判断し、常に正解を求める習慣が身に付いてしまうと、世の中に起こる様々な事象を白か黒かの二極化で判断し、人や物事に対するグレーゾーンというものに対する理解や努力を放棄するようになる。

経済とかもレポート提出したことがあるならデータを弄り回して「マクロ経済の変数」を捉えながら効果測定してるだけで、ジャッジは不在で何かの答えを得るための学問ではないと分かります。
よく取り上げられる財政政策と経済成長の因果関係も例えば「変数」が生きる「人間」なら、その人たちの質や量によって経済成長の幅も違ってくるので「支出した」ために経済成長したという因果関係が見当たらなくなる。成長に繋がるサービスを提供できる日本人がいない状態でばら撒けば、国外のコンテンツに換金したお金が流れる結果が考えられるなど、あらゆる要素が現実では関わります。
「こうすれば成長する」という簡単な構造があるなら、経済学はここまで複雑に発展してこなかったし、正しいかどうかまで実証研究のしようがない話をしてみたり「『事例や理論はこれだから適用する』とこうなる」に終始しがちで、因果推論を達成できなかったり落としどころも無いから「あくまで自分の見解です」を正直に口にできる人がなかなか現れない分野です。
むしろ世代論やらマイナス要因や失敗を叩き下ろして善悪に持ち込んでみたりエンタメ化させやすい分野と言えるでしょう。

コンサルタントや評論家が無責任に喋っても責任問われない一方で「これが正しい」というスタンスを崩すと食い扶持をもらえなくなる。SNSやYoutubeでも色んな人が喋ってて、それを真顔で受け取ってるコピペ人間が現れるのも個人的に何なんだろうなって感じですね。ネットのプラットフォームへと媒体が変わっただけでTVで陣営を分けた口論番組と同様に、これが正しいと思えるトレンドやテーマを主張には人目が集まるわけで、毎回毎回為替の動向やらリセッションやら「○○崩壊」といった「既知のパワーワード」に人が寄ってたかってページビュー数+商品案内の広告ビジネスに貢献し、結局やってることはまったく進歩せずに何も変わっていないオチです。

こういった自分達に対する謎の確信に満ちた現象が不思議でならなかったが、養老孟司さんの著作を読んでて腑に落ちる言葉として、
物事の在り方について「これなんだ」という断言してしまう流れが「概念」としてアプローチして「感じたことが無い」から理解されていないというのがあったので掲載しておきます。

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対立や二元論の世界に浸かり続けると、何かを批判していながらも自分や味方は讃えられるという、安易な考え方に陥ってグレーゾーンである現実の細部が見えなくなって精神的に未熟なままです。

ワケが分からないものを「分からないもの」として認めて、在りのままに捉える力が必要で、これは全ての分野に当て嵌まりますが、専門的なことは「不確実性」に満ちているからこそ「研究」されているわけで、誠実な人は分かりやすい結論を断定したりしないので、本当の意味で学びたいなら「止揚」や「集合知」に基づいて「思考」を鍛えてくれる相手や仲間を探した方が良い。

自戒を込めて言うと、結局誰もがどこまでも人間であることは変わらないし老若男女貧富の差を問わず、他人のことを敵意剥き出しにして一方的に見下し出して話を聞くことができない時点で「自分も劣化が始まってる」って思った方がいい。

一個の事象をただ一個の原因に帰結させる「思想」が現代で無茶苦茶垂れ流されているのは本当に危険です。

自分の「思考」に自信がないと、
答えの決まってる「思想」を垂れ流しがち。 https://t.co/9v0XobXPKV— PuANDA (@shoichirosm) July 24, 2024

エコーチェンバーのアルゴリズムとハッシュタグって奴が悪いんですけどね。


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