作品解説 映画 解説

何故『The Batman』に惹かれるか。

2025/7/4

https://www.youtube.com/watch?v=ImEaPpJhvrs 復讐の影から、希望の灯火へ 「I’m vengeance(俺は復讐だ)」 『THE BATMAN-ザ・バットマン-』より その台詞から始まる『The Batman』(マット・リーヴス監督)は、これまでのバットマン像とは一線を画す作品だ。だが、単なるリブートではない。本作が私の心を捉えて離さないのは、現代における「正義」の輪郭を問い直しながら、その問いに誠実に向き合おうとする一人の人間としての、ブルース・ウェインの物語だ ...

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社会 解説 雑記

ネットで「目覚めた気になっている人々」のミーム的心理構造。情報の疑似学習がもたらす加害性について

2025/6/12

無自覚な「破壊者」と化す現代人の構造 インターネットの台頭は、かつては支配的だったメディアへの批判精神と、自ら情報を探し、考える力を養う可能性を与えてくれました。多様な立場や声が交錯するネット空間は、本来であれば相反する意見を摺り合わせ、より高次の理解に向かう「止揚(アウフヘーベン)」の場であったはずです。これはドイツ観念論におけるヘーゲル哲学の概念で矛盾する意見や立場を単に否定するのではなく、それらを統合し、より深い真理へと昇華させる運動です。 しかし現実に私たちが目にしているのは、対立の激化と情報の分 ...

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解説

【RDR】ダッチという作品テーマを象徴している男を考察してみる

2025/6/9

「俺たちの時代は終わったんだ」 この名台詞が語られる『RDR1』終盤、ダッチはかつての仲間も理想もすでに失い、無関係な部族(先住民の少年など)を扇動しつつ、荒れ果てた小さな革命ごっこに耽っていました。 ダッチはかつて無法の世界における義賊として、暴力に支配された世界で「理想」を唱えた男だった。彼の目指したものは、自由で、支配されず、国家にも縛られない“自分たちの共同体”だった。彼の言葉には嘘がない。 だが――時代がそれを拒む。 よく語られるように“狂気の始まり”はブラックウォーターの事件だったとされる。し ...

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作品解説 解説

「デス・ストランディング」と小島秀夫監督レビュー──感動と共にプレイ中に抱かせた疑念の正体について。『2』への期待と不安感

2025/6/3

『デス・ストランディング』は、ゲーム業界でも異色の存在感を放った作品だった。「孤独」と「つながり」というテーマを軸に据え、オンライン接続とオフライン体験を融合させるという試みは間違いなく革新的だった。しかし、ストーリー終盤に至って、プレイヤーの間には感動もありつつ明確な違和感や虚無感がプレイ時に広がったこともまた事実だ。 なぜ『デス・ストランディング』の終盤演出はプレイヤーにとって好ましくない感覚をもたらしたのか 小島秀夫監督の創作スタイルに潜む変遷とそのリスクについて そして、続編『デススト2』に期待と ...

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ゲーム 作品解説

『サイバーパンク2077』エンディング考察 「選択」の先にある“人間の尊厳”とは何か?

2025/5/15

「命」と「自分であること」の狭間で 『サイバーパンク2077』は、ただのSF作品ではない。それは「ナイトシティを生きる」伝説を築くことであり「死を知りながら生き抜く話であり、そして「何者かになることを選ぶ」物語である。 主人公のVという人物は、始まりの時点で既に死の宣告を受けている。RELICによって身体が蝕まれ、元ロッカーボーイのテロリストであるジョニー・シルヴァーハンドの意識が内部から侵食してくる。この極限状況の中で、Vが選ぶ道――それは常に自分とは何か?“誰の人生を生きるのか”という根源的な問いに突 ...

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ゲーム 作品解説 解説

『The Last of Us Part II』レビュー 本作を語る上で避けては通れない「作家主義」について

2025/5/3

2013年、PlayStation 3の終盤に登場した『The Last of Us』は、多くのゲーマーの心に深く刻まれたタイトルとなった。感染症により崩壊したアメリカを舞台に娘を失った男であるジョエルと、世界で唯一の希望を抱えた少女・エリーの旅を描くその物語は、プレイヤー自身が道中の感情を「体験する」ことによって語られた。 https://www.youtube.com/watch?v=U-VLm0Vtu2E 多くを語らないゲームデザイン、判断をプレイヤーに委ねる語り口、ラストの選択を“選ばせない”こと ...

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活動報告 解説 雑記

HSP的な感性から無茶した経験上、伝えたい自己開示

2025/4/28

料理の世界はまさに食材の色、調理する音、香ばしい匂い、手触りや温度、見た目の彩りから口の中に広がる味わいなど、五感をフルに使って「何かを創り上げる」世界です。「集中する時間」が多く静かに没頭できる作業が多いことも、非常に心地よい環境です。誰かの空腹を満たすだけでなく、誰かの心を温め、小さな幸福を届けることができる行為。 「ありがとう」「美味しかった」その一言が何より大きな報酬になります。 直接的な自己主張が苦手でも、料理を通じてなら静かに、しかし確かに、人とつながることができる。周囲の感情に振り回されたり ...

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解説

『Life is Strange True Colors』正直にレビュー 誰の物語を生きるのか──DONTNODとDeck Nineに見る主人公像の対比

2025/4/26

『Life is Strange』シリーズは、「選択とその結果」にフォーカスしたインタラクティブなドラマ作品として高く評価されてきました。しかし、その「選択の意味」は、開発を担うスタジオごとに大きく姿を変えています。 元祖であるDONTNODが手がけた『Life is Strange』『Life is Strange 2』は「普通の若者が、突然の出来事に向き合い、自ら選び、責任を引き受けていく姿」が描かれていました。一方で、Deck Nineによる『True Colors』では、「『共感能力』を持った特別 ...

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ゲーム 作品解説

『Life is Strange 2』解説考察 兄弟と共に歩む「成長と痛み」の物語

2025/4/26

はじめに 『Life is Strange 2』は、超能力を持つ少年・ダニエルとその兄・ショーンの逃避行を描くアドベンチャーゲームだ。その根底には、「アメリカとは」「家族とは」「罪と許し」といった問いが織り込まれている。プレイヤーの選択によって展開が大きく変化する本作は、単なる一本道の物語ではなく、現代社会の縮図とも言える多層的なテーマに満ちている。 日本社会では「罪を償う」「正直であること」が道徳的に重視される傾向が強く、逃げる行為は卑怯とされやすい。これに対して、アメリカでは「権力への不信」や「個人の ...

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作品解説 小説 感想 社会 解説

「ジョン・ゴールトって誰?」――アイン・ランドの思想の変遷と『バイオショック』の反証について

2025/4/21

アイン・ランドとは誰なのか アイン・ランド(Ayn Rand)は、ロシアから移民したユダヤ系アメリカ人であり、作家・哲学者として20世紀のアメリカ思想界に異彩を放った。 彼女の思想である「オブジェクティヴィズム(客観主義)」は「個人の理性と自己実現」そして利己主義を「道徳」として肯定するラディカルなものであり、多くの起業家や思想家に影響を与えてきた。 彼女を有名にした名著『水源(The Fountainhead)』で描かれた主人公、建築家ハワード・ロークは純粋な創造者としての理想像であり、現実社会の圧力に ...

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元演劇畑の読書家ライターという美の探究者による、

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