作品解説 映画 解説

名作映画『12人の怒れる男』最後の挨拶が示す、本当の結論について

2025/12/24

「無罪」は証明されない――それでも彼らは“殺さずに済んだ”というテーマ この映画は「いい話」ではない 名作と名高い映画『12人の怒れる男』は、「一人の良心的な陪審員が無実の少年を救った」として語られがちだ。 だが、その理解は映画が最も警戒していた思考そのものでもある。この作品は一度も、 少年の無罪 真犯人 父親の死の真相を描いていない。 それでも最後、観客の胸に残るのは奇妙な安堵と、静かな余韻。その理由は、ラストの“挨拶”に集約されている。 覆されたのは「犯行」ではなく「断定」 まず前提をはっきりさせてお ...

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『ELDEN RING NIGHTREIGN』の「夜の王」たちに「状態異常の強者」が多い理由づけについて

2025/12/20

『エルデンリング:ナイトレイン』は、本編の設計を生かして作られた作品でありながら、後日談でも、かといって単なるIFストーリーというものでもない。それは「黄金の秩序が消えた後、あの世界はどう振る舞うのか」という問いを突きつけてくる作品だからだ。ナイトレイン世界の根幹にある思想―― 夜という「大いなる意志」の介在が無い状態。 そして「腐敗」や「発狂」といった大ボスたちの状態異常の在り方を軸に、 とりわけ象徴的であるリブラを取り上げて整理する。 夜の王とは何だったのか https://www.youtube.c ...

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ゲーム 作品解説

MGS ザ・ボスの遺志とビッグボスの曲解について。核抑止を取り上げた「ピースウォーカー」が何故分岐点になったのか?

2025/12/17

小島監督のMGSシリーズは「核抑止は理屈としては成立しても、現実の人間関係/政治の不完全さによって脆弱化する」ということをピースウォーカー計画の顛末によって解答を示した。これは初代MGSのナスターシャ・ロマネンコが繰り返して語ってきた言葉でもある。 https://www.youtube.com/watch?v=0sH5NY0QvPs これを踏まえて、ザ・ボスの遺志とビッグボスや「子供たち」の選択の意味について改めて取り上げたい。これは色んなゴタゴタで言語化がされにくいトピックだったが、初代からのナスター ...

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ゲーム 作品解説 解説

今だから通じる『Z(ゼータ)』の意味。富野由悠季が初代ガンダムから反転して見せた「人間社会の末路」と“再生”について

2025/12/13

今だから通じる『Z(ゼータ)』の意味。 誠実であろう人ほど孤独になりやすい世界の構造。たとえば── 本音よりも「空気を読む」ことが優先される学校職場という社会文化 冷笑や炎上をしながら、大人を名乗りながら敵を求めている空気感 「正しさ」という言葉を用いて、逆に人を強制し、縛ってしまう風潮 これらに基づいた生きづらさは、時代の構造的副作用とも呼べる。つまり「個」としてではない物が求められ、誠実であろうとする人が孤立する時代に生まれたが故に生じている。 また「承認欲求がマネタイズされ、貨幣になる」構造は現代に ...

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作品解説 映画

Netflix映画『バスターのバラード』に見る『ノーカントリー』との共通項――“神話の終わり”と“受容”

2025/11/2

物語は唐突に終わるもの コーエン兄弟の『バスターのバラード』は、西部劇の装いをまとった6篇の短編集(オムニバス)だ。一見すれば、風刺や皮肉、ブラックジョークの類に過ぎないが、全体を通して貫かれているのは「西部劇神話の崩壊」と「死の受容」という二重の構造である。 https://www.youtube.com/watch?v=khdWE0aZ7tw この映画の各エピソードは、古典的アメリカ神話の“原型”を召喚し、それを静かに解体する。第一話のバスターの陽気な姿や彼の華やかな銃捌きも、主人公たちの孤独や絶望も ...

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作品解説 映画

映画『マネーショート(The Big Short)』における「勝者の敗北」について

2025/10/31

映画『マネーショート(The Big Short)』における「勝者の敗北」について マネー・ショートの四人の哲学:真実・正義・倫理・虚無 誰も気づかない狂気の中で、正しさは孤立し、倫理は笑われる。映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(2015)は、サブプライム危機をめぐるリーマン・ショックの裏側を描いた金融サスペンスであると同時に、現代における“倫理の死”を描いた群像劇でもある。 リーマンショックの裏側でいち早く経済破綻の危機を予見し、ウォール街を出し抜いた4人のアウトローの実話を映画化。ブラッド・ピ ...

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解説

『MGS』の「ネイキッド・スネーク」という何者にもなれなかった主人公から降りた男について語る

2025/10/12

MGSシリーズの最終作は何故「ヴェノム(Venom)」だったのか。 『メタルギアソリッド』シリーズは、単なるステルスアクションを超えた物語体験だった。そこには「戦争」「意志」「ミーム」「アイデンティティ」といったテーマが散りばめられ、プレイヤーに“選択”を迫る鏡となっていた。 しかし一度の完結を迎えたとされた『MGS4』から時代を逆行して『MGSPW』から『MGSV:TPP』にかけての変遷は、シリーズの核心に触れる“夢と現実”の落差だった。そして、その鍵を握るのが、一人の兵士としての「ヴェノム・スネーク」 ...

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アニメ 作品解説

近年のガンダムシリーズが“先細り”して見える理由と“舞台設計”としての学園/決闘/日常欠落の問題点について

2025/9/21

この記事は、近年のガンダムシリーズの視聴体験の違和感を一つの仮説に束ねた考察です。作品への敬意を前提に、近年のTV本流で「熱量が細る」と感じる理由と、その処方箋を“舞台設計”と“キャラクター設計”の両輪からまとめ直します。 『鉄血のオルフェンズ』までは、主義主張の対等なぶつかり合いと散り際の美学(敗北の意味を引き受ける決着)が、戦闘・人間ドラマ・世界の手触りを一枚で結んでいた。 しかし近年は「学園/決闘」フォーマットや“見やすさ”の要請が強まり、舞台側の運用によって 読める殺陣(ルール/地理/代償) パイ ...

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ゲーム 作品解説

【RDR2】エヴェリン・ミラーの遺言と「アメリカの地獄」と「American Venom (アメリカの猛毒)」について

2025/9/11

――炎は神話の推進力、毒は貨幣の循環 「The American Inferno, Burnt Out (アメリカの地獄、燃え尽きる)」から「American Venom (アメリカの地獄)」へ。この二つの章題は、アメリカという物語の燃料が“炎”から“毒”へ変質していく道筋を示している。 ミラーの最期から読み解く“アメリカ”とは エヴェリン・ミラーは遺稿を残し、自ら火に歩み入る。彼の理念は紙に、身体は灰に。そこにあるのは、人間が築き上げた文明が“共存”ではなく“支配”を選んだことへの悔恨と、限界の認識だ。 ...

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アニメ 作品解説 映画

「最後の人間」としての草薙素子──『攻殻機動隊SAC_2045』が託した“自由意思の提示”

2025/9/3

『攻殻機動隊SAC_2045』はシリーズが積み上げてきたこれまでの「夢と現実」「物語と編集者」という命題を「社会規模のノスタルジア」と「終わらない戦争経済(サスティナブル・ウォー)」の只中に投げ込み、最終局面で草薙素子に「スイッチをどうするか」という選択をさせました。その判断は、彼女自身が“最後の人間”として自由意思の提示だけを残すという、SAC全体を締めくくるにふさわしい到達点だった──本稿はその意味を掘り下げます。 https://www.youtube.com/watch?v=s7YWJ7vWVtk ...

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