アニメ 作品解説 映画

「最後の人間」としての草薙素子──『攻殻機動隊SAC_2045』が託した“自由意思の提示”

2025/9/3

『攻殻機動隊SAC_2045』はシリーズが積み上げてきたこれまでの「夢と現実」「物語と編集者」という命題を「社会規模のノスタルジア」と「終わらない戦争経済(サスティナブル・ウォー)」の只中に投げ込み、最終局面で草薙素子に「スイッチをどうするか」という選択をさせました。その判断は、彼女自身が“最後の人間”として自由意思の提示だけを残すという、SAC全体を締めくくるにふさわしい到達点だった──本稿はその意味を掘り下げます。 https://www.youtube.com/watch?v=s7YWJ7vWVtk ...

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アニメ 作品解説 解説

『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』は何故あそこまで難解だったのか? クゼと合田一人、第2話が置いたギノという“プロレタリア”の意味とは

2025/8/24

なぜ1期の『笑い男事件』より難しく感じるのか 攻殻機動隊2nd GIGが“難しい作品”とよく言われるのは世界の複雑さを安易に単純化しないことにある。 その「難解さ」やあえて是非を言わない感じ=取りつきにくさは、2nd GIGの“設計”そのもの。 以前の1期=民間と国家の境界で起こる情報犯罪者(笑い男)を中心に据えているものの、2nd=国家間力学+難民問題+情報操作が絡むものとしてプレイヤーが一気に増え、事件は“誰かの思惑”だけでは説明できない層(外交・選挙・世論形成)に広がる。つまり1期は“個人の倫理”を ...

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ドラマ 作品解説 解説

『ザ・ボーイズ』考察 ソルジャーボーイが放つ自己矛盾と哀しみの正体について

2025/8/19

ソルジャーボーイを起点に読み解く「父性の呪い」と鏡像のヒーローたち ドラマ『ザ・ボーイズ』シーズン3はこれまでの“悪徳ヒーローをぶっ飛ばす痛快劇”の顔をしつつ、実のところ「父性の呪い」をめぐる心理劇だ。特に過去に縛られた男――ソルジャーボーイ。 過激なアクションや皮肉を超えて、キャラクターたちの内面に深く切り込んだシーズンでも、特に印象的なのは彼の登場だ。 彼は「時代遅れの男」として嫌悪感を抱かせながらも、どこか哀しみを誘う“亡霊的存在”です。 この記事では、ソルジャーボーイを起点に、ブッチャーやホームラ ...

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作品解説 映画

どちらが“正しかった”のか――『キャプテン・アメリカ シビル・ウォー』の最後が残した「公」ではなく「個」としての友情の余地

2025/8/15

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』は「#TeamIronMan優勢」「キャップ不人気」という空気が語られがちだった。だがその印象は、『アイアンマン』→『アベンジャーズ』の導線で入った観客の視点と、『キャプテン・アメリカ』三部作が一貫して問い続けた“個としての誠実さ”を見落とした受け止めのズレから生まれている。 本稿は、考察をベースに、スティーブが“国家ではなく個”を選ぶに至るテーマ線と、トニーの合理と暴走の同居、さらにジョン・ウォーカーへの継承までを一本に結ぶ。 また、ソコヴィア協定=外部統制は必要 ...

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ゲーム 解説

ブログ記事の「YouTube動画企画」開始のお知らせ

2025/8/11

いつもブログを読んでくださっている皆さまへ いつも記事をご覧いただき、本当にありがとうございます。このたび、ブログで書いてきた考察や感想を 動画化 してお届けする企画を始めました。文章だけでは伝えきれないニュアンスや、映像・音声ならではの臨場感を加えて、新しい形で楽しんでいただければと思っています。 記念の初投稿はこちら。 https://www.youtube.com/watch?v=mbEcqKcb9hk YouTubeチャンネル開設しました ブログでのテーマをもとに、自ら朗読+字幕形式で動画化してい ...

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ゲーム 解説

【CCFF7&FF7R考察】ザックスとジェネシスの対比。英雄の幻想。女神ミネルヴァに選ばれた存在について

2025/8/6

「英雄」とは誰のための存在か https://www.youtube.com/watch?v=p5D-8HDazuw 『クライシスコア FF7』は、ザックス・フェアという一人のソルジャーの物語を描きながら、同時に「英雄とは何か」という問いを深く突きつける作品である。その中で異彩を放ちながら立ち塞がるのが、本作のラスボス的存在として登場するジェネシス・ラプソード。そして、女神ミネルヴァの存在だ。 さらに、FF7アドベントチルドレンなどでザックスという「人間」が死後もライフストリームから独立して霊的に“生きて ...

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ゲーム 作品解説

【RDR2 考察】マイカ・ベルという家族になれなかった男について

2025/8/4

Red Dead Redemption 2(以下RDR2)に登場するマイカ・ベルは、プレイヤーであるアーサー・モーガンの視点からは「ギャングを裏切り崩壊に導いた男」として描かれる。彼は確かに暴力的で自己中心的、そして“憎まれ役”として物語を締めくくるにふさわしい存在に見える。 だが、物語を丁寧に追っていくと、マイカというキャラクターにはもっと複雑な側面が見えてくる。彼はダッチを裏切り、ギャングを壊すために動いていたのか?本稿では、マイカ・ベルという男が「裏切り者」である以前の問題として、何を求めてギャング ...

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作品解説 映画

映画『首』ラストの意味を解説|“首の価値”と武将の崩壊は何を示すか

2025/8/3

ラストの“首”が象徴するものは何か。戦国の価値観、権力装置としての暴力、人物の崩壊過程を追いながら、ビートたけし流の歴史解釈を読み解きます。『アウトレイジ』との連続性や他作との比較も交え、史実とのズレが物語上担う機能を明確にします。 北野武が演じてきた“終わりの語り部”としての顔 北野武という男を、ただの映画監督、あるいはコメディアンとして括るのは難しい。というのも、彼の制作してきた映画に流れるのは、暴力と権威の構造を見つめ続けてきた“語り部”としての冷徹なまなざしであり、そして彼自身が監督でありながらも ...

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ゲーム 作品解説

【FF14考察】ゼノスの道理と行動原理から読み解く旅の結末。FF14『黄金のレガシー』の課題点について

2025/7/31

ゼノス・イェー・ガルヴァス。『ファイナルファンタジーXIV』においても特に評価の分かれるキャラクターだ。「戦闘狂」「感情なき獣」と揶揄されながらも、物語の根幹に深く関わり続けようとプレイヤーの前に何度も立ちはだかった。だが果たして、彼は本当に「理解不能な悪役」だったのだろうか? ゼノスという旅人(ヴェトル)について 個人的にゼノスはFF14の物語において単なる「ヴィラン」や「怪物」では語り尽くせない、非常にユニークで異質なNPCだった。むしろ彼はFF14が積み重ねてきた「世界・共存・対話・正義」の物語に対 ...

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ゲーム 作品解説

【FFX-3】新作の構想とFF7の「神羅」が繋ぐテーマとは。死者と記憶の『情報化』を描いた両シリーズを整理してみる

2025/7/29

今回はFF7シリーズ考察からちょっと脱線して先にFF10に触れてみます。最近はワッカさんやら歌舞伎劇場化やらも好評な本作。 ですが、結局「例の新作のウワサ」についてはどうなんだよっていう方に向けて、制作陣的にやりたいことはこういうことかもね的な勢いとノリで語っています。一応、FF7シリーズの根底に関わってくる部分もあるのでそちらの解説考察に向けながら、FF10-3に向けた補足でネタバレ全開として語ってもよろしいですかな?的なノリでお付き合いください。 死者の記憶を「情報と資源」とする思想──幻光虫とライフ ...

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元演劇畑の読書家ライターという美の探究者による、

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