「ULT経済循環」による一部キャラの歪み
シーズン7以降、『マーベル・ライバルズ』は一応ニュートラルな場面での戦いを重視しようと、全体的なULTのデフレ方向へ動いている。
ULT回転率の抑制や初期のフランカーによるワンコン環境の緩和、ポークによる撃ち合い牽制の地位上昇。
この意図自体は見えるし理解もできる。
しかし問題は、一部キャラだけが、そのULTのインフレを維持しているとして特に象徴的なのがMoon Knightである。

彼の危険性というのは単純な火力ではない。
「多段ヒットと密集AoE」による「キル圧とULTゲージ回収効率の両立」
それによって「ULTを撃った後にもすぐに次のULTを溜める」という循環を自己完結的に成立させているキャラであることだ。
これは確かにヒーローシューターにおいて危険な設計の一つだと言ってもいいし、ムーンナイトは確かにULT単体の破壊力は高い。
しかし実際には「有利を拡大するキャラ」寄りであるというのは、あまり認識されていない。
そもそも強いULTには2種類ある
ヒーローシューターではULTは大きく分けると、
有利拡大型 → 勝っている側がさらに勝つ
逆転創出型 → 不利状況を破壊する
に分かれており、前者に属するMoon Knightは味方が「既に空間を取れていること」が前提になりやすいAoEの攻撃ULTを持っている。
つまり逆に言えば、味方壊滅中で高台も取られてる、敵が散開してる状況だと意外とゲームを戻せない。何故なら「状況を制圧する」より「制圧済みの空間を固定する」性能だから。
似た方向性として挙げるなら、他にもStar-Lordは前者寄りで似ている。

彼の強みは高機動で中距離圧やULT爆発力だけど、戦況そのものを変える能力はそこまで高くない。
- 敵ULTなどのリソース吐かせた後
- 敵が削れて、撤退しきれない時、
- 混戦継続中に刺さる。
「戦闘を始めるULT」ではなく「戦闘を終わらせるULT」という設計になっている。つまり、既に有利で敵が崩れてる、味方が前を作ってる時に超強い。
逆に「不利状態を単独で再設計する」のはやや苦手。だから、キャリー感はあるけど、実際には味方依存の場面が結構ある。
だから、劣勢状況だと、
- CCで止まってフォーカスされる
- 屋内などの射線切りや空間不足、ヒーラーによるカバー不足で失敗しやすい。
ただ、特にムーンナイトがヘイトを買う理由は有利時に相手に与える閉塞感から一転し、自陣不利だと機動力のあるスタロと違って立ち回りの柔軟性に欠けて修正が効かない「何もできない子」になるのもある。
つまり、チームがReGroupした密集形態に「AoEが置かれ、前に出られない」という意味では制圧力の鬼ではあるし、これはOW2でいう「全盛期ザリア」に近い。

だが、一度押されて「負け始めると窒息する」感覚を生みやすいし、当人は状況を変えようとウルトを貯めようとファームに入る子になりがちなのだ
今のMarvel Rivalsで最も重要なのは「最初の主導権」
現在のMarvel Rivalsは「誰が最初に有利へ入るか」が極めて重要です。
ムーンナイトやスターロードはその波に乗ると強烈な強さを持つ。
ただし、ゼロから盤面を作るタイプではない。
このゲームの本質的にはタンクラインやサステイン(HP回復力・耐久量)、集団戦の維持やULT経済を成立させている側の方が、実は試合を支配している。
上記のDPS二人は「単独で負け試合を覆す」というより“味方優位を確定させる方向に強い。だから、先に主導権を持った側として
- サステイン勝ちした側
- 前線維持できた側
で急激に強くなる。
ただし、逆に言えば本当に試合を動かしているのは味方サイドの、
- 空間形成
- サステイン確保
- エンゲージ
だったりする。
ここまでの話ならオーバーウォッチの話と同様だ。

ソロランクで特に好まれるのは「自己完結型」
しかし、Marvel Rivalsはまだ構成理解や連携不足、ロール観の混乱がある。
だから、自衛や逃げ性能、単独キルや最低限の継戦能力を持つキャラが好まれる。逆に「味方の連携前提」のピックキャラはかなり苦しいが、その分、固定チームでは活躍の芽が出やすくなる……といえど、それを生かす構成を考えなければならないのでやはり難しい。
DPSタイプの特色毎に細分化してみる
https://www.marvelrivals.com/jp/heroes_data
「先手を取って、初手を作れるDPS」
例えば競技シーンの採用率と勝率も載せとくが、DaredevilやBlackcat、Magik、Spider-Man、Black Pantherも、これらはバックライン圧からの視線崩し、陣形破壊や分断ができる。

Marvel Rivalsは「先に形を崩した側」が強いので、このフランカー陣は実は価値が高いと見られている。
特にソロランクでは「味方が動かなくても試合を動かせる」のが強いのもあって見る時はかなりピックされる。
プレイスタイルによるとも思うが、ダイブタンクが存在するときは選んでみると一緒に動いて壊しやすいし、一考の価値はある。
「ULT経済を壊せるDPS」
ここに先ほど挙げた
- Moon Knight
- Star Lord
- Gambit
が入ってくる。
彼らは単なる火力役ではなく、ULTゲージ循環力やAoEから集団戦テンポを握りやすい。
特にGambit のような攻撃バフ系のULTは、味方全体のテンポそのものを加速させる。
ダメージやキル速度が上がれば、ULT回転率も上がる。
結果として一度、彼のULTで押し負けると、他のULT連鎖開始の合図でリスポーン前に次のULTが来るという、雪だるま構造が生まれやすい。

プレイヤーが感じているこいつらの不快感の正体は「強い」というよりも
「循環負けしてしまうと対処不能」な点にある。
ただし以前話した通り、
彼らは「有利を固定する側」なので、完全キャリーとは少し違うし、合わせてウルトを吐くなど対応自体はできるのだ。
「安定して仕事を減らせるDPS」
これが実は高レートほど顕著だが、高所取りからの射線維持の圧力、タンク削りやダイブ牽制ができるタイプとしてNamorやPhoenixは総合力として最も強い。特に後者は設置物ULTなど色んなメタを張っててヤバい

Marvel Rivalsはカオスな戦況になりやすいので逆に「毎回最低限の価値を出せる」キャラが強い。
OWでも高ランクほど「再現性」が重視されるのと似ており、その面で言うと、実は「純火力DPS」が一番不安定で難しくなってくる。
「後衛から火力オンリーDPS」
- Punisher
- Hawkeye
のようなエイム力やら色んな要素を火力に振っている面子だ。

Marvel Rivalsは全体的に多少ユーティリティを持っているが、こいつらは強制エンゲージや分断、混乱への対処には「単体なら時間稼ぎ程度」はできるがぶっちゃけ苦しいキャラだ。
なので「味方が戦闘を始めてくれるほど強い」し、その上で比較的「ダメージ解決型」に近い面子だ。
ただ、このゲームでは、
- サステイン力やAoEが多い
- 乱戦が長く、カバーが入りやすい
なので「1人倒すだけ」では勝ち切れないこともある。
だから時と場合によるが「試合構造を継続的に動かせるDPS」「味方の負担を減らせる動きができるDPS」の価値が高いし、こいつらの真価はULTをどれだけ放てるかだろう。
最近の調整では万能神だったWinter Soldierもこっち寄りになってしまい、「露出した敵を消す」性能として上手い人は強いけど、試合そのものを設計する力はやや低めになってしまった。

が、結構やれる子として見られてはいる気はするし、
CC性能から試合そのものを動かしたり設計する力はやや低くなったのを火力ピック性能で取る方向性だ。
DPSも「純火力だけだと勝ち切りにくい」
これがマーベル・ライバルズ側のかなり特徴的な部分で、
例えばOWだとSojournやWidowやCassidyみたいな、単純に撃ち勝つキャラが環境王者になることがある。

でもMarvel Rivalsは
- 回復の多さ
- 人数の多さ
- AoEの多さ
- 集団戦の時間の長さ
の影響で「一人の火力だけでは解決しにくい」場面が結構ある。
逆に「不利状況をひっくり返す初手ULT」「戦況そのものを書き換えるULT」は、Marvel RivalsだとかなりタンクULTに寄っています。
代表的なのは例えば
- Doctor Strange
- Magneto
- Groot
ストレンジやグルートは「戦場定義」を奪う
特にストレンジとグルートが危険なのは、
火力だけではなく「敵に戦い方を強制する」から。
これは単なるダメージULTではない。
- 盾で射線を切る
- 分断する
- エリアを拒否する
ことで、それまで成立していた戦術を破壊できる。
だから彼らは、劣勢からでもゲームを再構築しやすい。

マグニートーは「人数有利創出」
彼の場合はダメージ吸引からのAoEダメージによって「集団戦を無理やり始めたり、ヒーラーへのカウンターULT運用」ができること。これはMOBAでいうイニシエートに近い。
つまり、味方が撃ち合い負けしててもULT1回で「敵の構造を壊す可能性」がある。あと、どう対応するかで一瞬の混乱を発生させる。
数値ではなく「敵判断を破壊するULT」として、Marvel Rivalsはカオス寄りゲームなので、こういう「認識を壊す能力」が非常に強いし、この視点があると「チームに何が求められる」か理解しやすくなる。
逆に言うと「純火力DPS専」は今後苦しくなる可能性がある
このゲームの理解が進むほど、
- カバーとフォーカス
- ULT循環
- ポジション管理やキャラの選択肢
が洗練されていく。
すると「ダメージだけ」の価値が下がる。
だから今後上位帯ほどフランク形成からの射線分断、タイミング合わせやULT自ら主導して吐けるなど、自分の役割を理解して率先して動けるDPSほど強くなる可能性はかなり大きい。フェニックスは時代が早すぎた感はあるが
ここがOWとの面白い差でもあり、
OWは比較的に射線やエイム、ロール遂行能力の比重が高い。
一方Marvel Rivalsは、
- 相手の誰を見るか、どの場面でカウンターULTを切るか。
- どのターンを譲るのか
- どこで取り返して主導権を取るか
という、どちらかと言えば筆者的にはLoLの感覚だが、MOBA的判断がかなり重要。
Marvel Rivalsはどちらかというとロールで見るゲームではない。
そのキャラの「機能」で見るゲームである。
MOBAの勝ち方 -- キルよりオブジェクトが大事な理由 | MOBA初心者のための基礎講座 | NEXTGG MOBAの勝利条件はキル数ではなく本拠地の破壊。キルをオブジェクトに繋げる思考法と、初心者が陥りやすいキル追いの罠を解説。 www.nextgg.jp
Scarlet WitchもULTばかり注目されがちだが、相手を追い返す意味では対フランカーなど流れを変えるピックになる一方で、Squirrel Girlのように通路制圧や密集拒否などエリア制圧DPSとして「敵が下手なほど刺さる」だけじゃなく「敵が上手くても動線管理で刺さる」という出番が出てくる。

このように敵陣の荒らし成立を防いだり、敵行動を制限して時間を稼いで「敵がやりたいことをできなくする」ことで、実際の勝率貢献は高くなりやすい。
あるいはElsa Bloodstoneのように火力寄りだけど対乱戦アンチDPSも実装されており、飛び込んできた敵や浮いた敵を安定して咎められるキャラとして「敵の危険要素を1人ずつ消す」OWタイプもいる。

他にも例えば、UltronやAdam Warlockは回復機能を備えた制圧寄りストラテジストという実質サブDPSで、Mantisはダメージを各バフのリソースに変えるバトルヒーラーだ。



つまり重要なのはヒーラー専やらDPS専だからという「自分は何ロールか」ではなく「何を成立させたいか」なのである。
だからダメージやキル数に限らず、相手の視点を動かす戦況操作、ダイブによるエンゲージ力、空間制御を持つDPSの価値の大きさも、これから人口と共に煮詰まると比重が大きくなるし、ぶっちゃけ運営のミスだとしか言えないが、DPSの多さもこの「役割の細やかさ」に起因している気はする。
何はともあれ、自分が上手くなろうとするのであれば、自分チームと相手のやりたいことを適材適所で判断できる力が求められる。3タンク3ヒーラー構成もその回答の一つだ。
「ヒーローシューター」としてカウンタープレイが前提とはいえ、キャラが大きいマーベルのゲームだからキャラ愛を貫きたい気持ちもわかる。
だが、今後伸びていくプレイヤーは「只管敵タンク殴ってダメージを積んでキルができる人」よりも「戦況を設計できる人」になっていくと思ってもいいし、向上心があるなら、あらゆるキャラやロールに理解を持つのが一番の近道なのだろう。
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