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ダークソウルシリーズ整理 無印編 -不死の使命と世界の理-

ダークソウルという世界は、古竜だけが存在する単色の「灰の時代」から、あらゆる神々が生まれた色彩ある「火の時代」へと移り変わった神話の物語。

無印OPより以下抜粋。

だが、やがて火は消え、暗闇だけが残る

今や、火はまさに消えかけ

人の世には届かず、夜ばかりが続き

人の中に、呪われたダークリングが現れはじめていた

この「火の時代」をもたらした「はじまりの火」が消えかけているという。

それを何とかしようと、不死に与えられた使命を果たすのが無印のはじまりでした。


無印の巡礼の旅路

火の時代が到来し、やがて生まれた生物によって文明が築かれ、国が建てられる。
その中で、古い神々の土地であるロードランを旅することになったわけですが、そもそもの始まりとして、無印主人公は投獄された不死の一人であったわけです。
神話の時代には「不死」と呼ばれる不死性が備わった存在があり、それは人のみに表れたもので、それを北の不死院に集めて投獄しているという政策で、人間にやさしくない世の中でした。

そんな不死院に投獄された無印主人公は、突如現れたアストラの上級騎士と出会います。そもそも発端は、彼の最期の願いを聞き届けたことでした。

彼曰く不死とは使命の印。目覚ましの鐘を鳴らして不死の使命を知れ。

これを代わりに叶えることが、無印主人公の当初の目標だったわけです。
そして紆余曲折あって鐘を鳴らしたことで現れたのが、世界の蛇、王の探索者フラムト。

不死の勇者よ。お主の使命は…大王グウィンを継ぐことじゃ
かの王を継ぎ、再び火をおりなし、闇をはらい
不死の徴をはらうことじゃ 

これが使命であり、その為の手段として「王の器」が必要とされました。

世界から闇を遠ざけるため、大王の後継者として「はじまりの火」によって闇を払うことで、不死の呪いを消すこと。

偉大なるソウルを「はじまりの火」へと還していく。王のソウルで器を満たしたことで、無印主人公は、大王の後継者の座に就く初の不死として認められたわけです。

そうして主人公である彼/彼女は、全ての生物の源である「はじまりの火」を絶やさないため、世界を救う役割を果たす「薪の王グウィン」の後継として、火を継ぐ為の薪となる道を選ぶことになりました。

こうして世界は救われるのでした。めでたしめでたし。

無印火防女の台詞より以下引用。

…あなたが、火を継いでくださるのですね
…ありがとう、ございます
…これで不死の呪いも消え、私も、人として死んでいけます

深淵

王グウィンは、闇を恐れた
火の終わりを恐れ、闇の者たる人を恐れ
人の間から生まれるであろう、闇の王を恐れ
世界の理を恐れた
だから奴は、火を継ぎ、自らの息子たちに、人を率い、縛らせた

世界蛇カアス曰く闇の時代の到来こそが、人という種族の悲願であったという。

それを恐れたグウィンは、自ら火を継ぐことを選んだというのでした。

神々と人は本質的に相容れない存在であり、人は隷属の道を余儀なくされていたわけです。

しかし、カアスが語るように、人の祖先である「名もなき小人」は闇のソウルの力を理解していました。

貴公ら人の祖先は、闇のソウルを得て、火の後を待った
やがて火は消え、闇ばかりが残る
さすれば、貴公ら人、闇の時代だ

闇こそが人の領分であるということ。

それは火が絶えた後、もっとも強大な存在になれることを意味しており、人の力は闇に由来するからこそ、火の陰りとともに人は不死に目覚めている。

不死となったために迫害されてた人は、本来のあるべき姿に戻ってるだけだったというオチ。

かつて火のはじまり、貴公ら人の先祖は
古い王たちの後に、四つ目のソウルを見出した
闇のソウルだ

タイトル回収。

誰も知らぬ小人は「はじまりの火」より「闇」を見出した存在であり、王のソウルの代わりに「闇のソウル」を見出していた。これに思い当たるのが人だけが「人間性」という力を持っているということ。それは様々な用途を持っている、人のみに与えられた力でした。

不死は無意識のうちにその闇のソウルの力の一端を行使していた。小人がはじまりの火から見出した王のソウル、それこそが「ダークソウル」でした。

雌伏の時を、人は神々による歴史の中で過ごしていたわけです。

ならば火を絶やし、闇の時代を築くことが、人にとって正しい選択となるのではないか?

それとも、曲がりなりにも神々と人が共存している火の時代を絶やさないべきか?

どちらの道を選ぶのかは、あなた次第。

これが無印の旅路でした。

「はじまりの火」とソウルの力

ややこしいことに、炎をバンバン放つグウィン大王のせいだと思いますが「はじまりの火」イコール「炎属性の力」というわけではありません。この神話の時代においては、人が使役していた「炎属性の武器」と「呪術」はまた別物であるというのがあります。どちらも「はじまりの火」から見出した力の一端ではありますが、明確に違うのが、「呪術」は「魔術」ではないということにあります。

「イザリスの杖(無印)」より以下引用。

イザリスの魔女が混沌に飲まれる前 まだ娘たちが炎の魔女だった頃の杖
呪術はまだ生まれておらず 彼女たちの杖も魔術の触媒であったが その炎の魔術は完全に失われてしまった

「イザリスの杖」より抜粋

王のソウルを身に宿したイザリスの魔女は、魔術としての炎を使役することができました。これと同様に、人が武器に宿して使役できる炎属性もまた、ソウルによって形作られた魔術であったわけです。

イザリスの魔女は「はじまりの火」に魅入られ、それを再現しようとし、自らが生んだ炎に飲まれ、自身は混沌の苗床という化物と化してしまいました。

その炎こそが、混沌の炎でした。

そこからデーモンという種族も誕生しました。呪術の炎とは、この魔女の研究過程における副産物のようなものでありました。

この世界において「はじまりの火」とは無から有を生み出し、すべての生物に力(ソウル)を与える唯一の光。これを絶やさないための「火継ぎ」が「火の時代」の存続の為に求められていたわけです。

あえて言ってしまうならば、我々の世界では「海」がこれにあたりますね。
無から有、あらゆる生命が誕生するスープの役割だったのが、この世界において「はじまりの火」だったわけです。

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