社会 解説

政治学卒による政治の歴史シリーズ 資本主義編 -古典SF作品による警句-

社会のバランスを保つ世界のコンパス

資本主義社会とは、社会主義とはまた別の平等、つまり個人が報われる社会。

しかし、そこにあるのは原始の生存競争となんら変わらない。違うのは武器が素手や石器から、情報とお金に変わっただけ。

お金という神様が支配する、力と幸運を兼ね備えた者が勝つ競争社会。

極端に言ってしまうとそんな世界です。

強者に成るのに厳しく、弱者にはさらに厳しい、限りなく平等で素敵な今の世界ですね。

勝者は敗者の屍の上で酒池肉林を楽しむのが正しい資本主義。

ある意味、出生主義的な一面もありますね。だからこそ、これは栄えました。

「他者より強く、他者より先へ、他者より上へ」

どう取り繕っても人間は群れる生物。

しかし、その根源にあるのはまさしく

「他者より強く、他者より先へ、人より上へ」

楽をしたいし、気持ちのいいことをしたいし、人より上に立っていたい。

そんな人間の根源的な欲望に沿った、これまでの社会システムの弊害だった人間の本能である悪性を肯定したシステムでした。

資本主義は世界を席巻し、今も私達の中で生きています。

経済という神の世界での合理化とは

根源的なエゴイズムや悪性を肯定する資本主義に、民主主義がどっぷり浸かってしまうと何が起こるか?

企業との癒着や賄賂、こういった政治腐敗を加速させる事態を招くようになります。

しかし、あくまで資本主義は自己の利益を優先するという徹底的に明確なルールが存在します。自らに利益が出るからこそ、これらの癒着は行われるのです。

資本主義は民主主義とともに発展していましたが、民主主義が機能不全に陥る場面、あるいは資本主義が政治を任せるのは不経済であると判断した場合は、民主主義の方が切り捨てられる立場に置かれるでしょう。

そういう時代が来たら、もはや古典SF小説の時代到来です。

資本主義を腐らせた愚者及び弱者を徹底的に排除して、利益に秤が置かれるようになる。

真の意味で経済に基づいた合理性が重んじられる社会と化したら、稼ぎは変わらないのに分ける人数が減るんだからいい暮らしができます。

切り捨てられる人間の肉は尊厳を守られず、ソイレントシステムよろしく合成肉やら化学肥料として売り出されるのではないでしょうかね(適当)

SFは未来に向けた警鐘

乱世になり、最終的に力をもった集団が統治する日は、これまでの歴史で積み重ねられたように未来もいつか来ると思います。

そして、現在の世界ではこれまでの記事による政治形態しか人類は見出せていません。

それが独裁者であったなら専制国家の復活でしょうし、経済活動に重きを置くのであれば、弱者を切り捨てた世界になります。

どのみち、今の世界の住人たちにとってキツイ世界になるのは変わらないです。そういう日が来た時に自分に生き延びる力があるのかと考えると、ときどき怖くなる感覚に襲われています。

だからこそ、物事を読み解きながら推古する人間らしさ、人間だからこその知恵を考えたくて文系に進んだんですけどね。

それが何十年先、何百年先の事になるのかは神のみぞ知るってやつですが。

少なくとも、いかなる政治形態であろうが、そこで新たに形成される世界が一歩踏み違えるとシャレにならないものと化すという警句は、SF小説でも綴られてきているので、やっぱSFって面白いよね。

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