CHAPTER 1
ストレイドのリンクス、通称「首輪付き」の初陣パート
かつてのオリジナルリンクス、霞スミカに拾われたのがfaの主人公である通称「首輪付き」
彼は若年でありながらカラードに登録して間もない独立傭兵、ストレイドのリンクスでした。オペレーターを務めるセレン・ヘイズもとい霞スミカはインテリオルユニオンに所属していたかつてのオリジナルリンクス。
しかし、リンクスとしての地位を捨て、霞スミカはセレン・ヘイズに名を変えて一市民に紛れながら地上に暮らしていました。
首輪付きも、優れたAMS適正を持ちながらいずれかの企業に与するリンクスとして目にかけられていなかったことを考えると、彼の出身はおそらく荒廃した地上であり、もしかするとかつてスミカが企業に属していたころの作戦行動で出会った戦争孤児だったのかもしれません。
彼はセレンから訓練を受けてリンクスとして身を立てることになりますが、ここで注目したいのが、セレンが古巣であるインテリオルユニオンの下で働くことを忌避したということです。
リンクスを引退しても会社に重用されることも可能でしたが、企業に不信を抱いたリンクスの一人として、距離を置いています。リンクス戦争時には傍観者に徹していたインテリオル陣営だったため、かつて国家解体戦争で共に戦ってきたオリジナルの仲間たちが命を散らしていくことに思うところがあったのかもしれません。
そんな彼女が育成した首輪付きも、ラインアークへの嫌がらせ任務を試金石として受託。
ここから様々な陣営の依頼を引き受け、まさに前作のアナトリアの傭兵のように徐々に戦功を積み重ねていきます。
今回はクレイドルの存在によって管理経済戦争の持続という前提の下で成り立っている争いで、かつての傭兵のように気付かない内に企業の大本に牙を向けるようなイレギュラー扱いされるような事態は起こりにくいとして、マジで陣営もお構いなしで手柄を立てていきます。
セレンもセレンでどの企業に対しても辛辣な物言いを隠さない。しかし、依頼が後を絶たないので、雇い主を実力で黙らせるという山猫呼ばわりされる時代の中では稀有な新人でした。
そうして主力級アームズフォートであるBFFのスピリットオブマザーウィルあるいはアルゼブラ社のカブラカン撃破という、企業にとってはジャイアント・キリングという奇跡。しかし、一部の存在からはリンクスとして確かな腕を示したことから注目を集めるなど、順調に出世街道を登っていきます。
そんな中、カラードのお茶会面子によると、クレイドルへの送電の役目を担う各地のアルテリア施設襲撃が見かけられるようになっていたとのこと。
ここから本格的に物語が展開されていきます。
CHAPTER 2
期待の新人はともかく、不明ネクストによって企業の要所が襲われている。
この不穏分子に対処しようと企業が動き出すチャプターですね。
これまで話したように、アームズフォートは企業にとって重要な立ち位置で、よりによってネクストに敗れたままでは黙っていられない。加えて謎の襲撃犯は拠点に無差別に攻撃を仕掛けているように見えるが、その中にアルテリアが含まれているというのも結構マズい。
さて、ここでfaにおけるストーリーを俯瞰的に見るための要素として一つ考えてほしいのが「首輪付きが受託しなかった依頼は誰が引き受けるのか?」という点です。
プレイヤーである首輪付きが活躍して任務を成功させているものの、ここでもしも自分が受けなかった場合どうなっていたのかを想定してみましょう。もちろん、企業傘下の専属リンクスあるいは近しい独立傭兵が代打を務めるでしょうが、実はこのあたりの時期から結構ヤバい仕事が舞い降りてきています。
それが件の不明ネクスト撃破ミッションです。
企業による独立傭兵リンクスの懐柔と選別
プレイヤーである首輪付きも被害を被っているようなブリーフィングが不正確なのは仕方ないとして、増援の約束をしておいて来ないという事も起きるなど企業側がキナ臭い動きを見せるようになっています。
首輪付きだからこそという見方がプレイ当時の見解でしたが、よく思い返したらチャプター1の最後を締めるカブラカン戦なんて首輪付きがコイツの撃破で注目される直前でした。
おそらく、どの傭兵も似たようなことが起きていると思っていいです。
これに直面すると、どうしてもACシリーズ恒例のリンクスを嵌めるための「騙して悪いが」を連想してしまいますね。
強気に脅しで応える首輪付きとセレンのコンビはともかく、立場が定まっていない独立傭兵は依頼が舞い込んでも実は気が気じゃなかった時期だと思います。企業の上層部のネクストに対する警戒は相当なものだとは言え、仕事を請け負っているだけの彼らにはここまでされる謂れはありません。そして、ここで絡んでくるのが一連の襲撃に絡んでいた不明ネクスト。
アームズフォート部隊もやたら落とされているという不吉な報せから、ネクスト戦力を運用できる存在が絡んでいるのは確実。
その正体を突き止めようと躍起になっている情勢にも関わらず、マジで企業に喧嘩を売ったカラードの独立傭兵がいました。
みんな大好きノーカウントのリンクス、パッチです。
不明ネクスト撃破ミッションにて首輪付き不在だった場合
インテリオル陣営によるノーカウントと不明ネクスト二機撃破作戦にて僚機候補として選ばれたロイ・ザーランド曰くあんまり気は進まないというのも、いつ自分が見限られたり捨て石扱いされてもおかしくないという勘が働いている故。
実際、首輪付きの代打を務められるのは彼くらいなもので、ノーカウントに加えてイレギュラーネクスト2機にコジマ兵装を持ち込まれており、並のリンクスであれば勝ち目を見ることなく敗れるのが当然と言えるほどの強敵。
同じく首輪付き不在だった時に問題なのが、もう一つのオーメル陣営(アルゼブラ社)による不明ネクスト撃破のミッション。こっちではラスター18のフェラムソリドスを相手にしますが、この僚機候補がダリオにカニスにフラジールもといCUBE君。
ラスター18もゲーム上での強さはともかくカラード上位に匹敵する設定持ちとのことなので、もしも首輪付きが引き受けなかったら、こいつらが組んで互いに悪態つきながら倒すことになったでしょう。
前者のインテリオル陣営の方が明らかに過酷なのですが、首輪付きがいなくともロイ・ザーランドは独立傭兵のトップランカー。そして、ウィンDやエイ・プールといった歴戦の猛者が候補に挙がっていましたから、優れたリンクスを保有しているインテリオルだからこそ対処できたと言えます。後者のオーメル陣営はたかが一機と余裕ぶりながら何気に冷や汗かいてるかと。
企業サイドの動揺から発生した例の撃破依頼
こんな感じでネクスト戦力で対処できるかは置いといて、量産型アームズフォートどころか主力級も相手取れるほどの実力者揃いが相手ならば、当然これからも被害は増していくばかり。
これに加えて、アルテリア襲撃犯ならば、クレイドル体制に異を唱える者であることは間違いない。
となると、最悪のビジョンが浮かんでしまいます。
ラインアークもとい伝説のホワイト・グリントがその敵対者に加担するという未来です。
これが、急に企業陣営がラインアークのライフラインであるメガリス破壊を強行し、チャプター2終盤唐突にホワイトグリント撃破依頼が持ち込まれた経緯でした。
強さが売りの首輪付き君が介入していたからこそ、チャプター2ではプレイヤー視点ではあまり大きな変化は感じられませんでした。しかしこのように、この時点で企業サイドは動きが怪しくなりつつあり、かつての4時代のなりぶり構わない悪癖が表出化しつつあります。
問題にならないようにコントロールして見せているものの、力を持ったリンクス頼りという綻びがもう生まれつつありますね。
そんな感じで明日はホワイト・グリント撃破ミッションを中心にチャプター3の解説に続きます。