何故エルデンリングが砕かれる必要があったのか、褪せ人の旅路の必要性はずっと謎でしたが、大体整理がつきました。
褪せ人の旅路の元を辿るとエルデンリングが砕かれたことにありましたが、それ以前に狭間の地が壊れつつある世界だったことについて。
他の方々もあまり触れられていない、その根源についてまとめていきたいと思います。
狭間の地で生きる植物学
まず、狭間の地でよく見られた「キノコ」について説明を。
今作では採集要素として取り上げられるアイテムですが、狭間の地では始めた当初からキノコがやけに自生しており、何かしらの理由があると思って着目してきたのですが、ある程度解答を得たのでまとめてみます。
キノコとは木材腐朽菌と呼ばれる菌類の一種です。
木材の栄養素を分解して腐らせながら、菌がキノコの形になるわけですね。
高温多湿な環境を好んでおり、湿った環境が繁殖条件に繋がっています。
エルデンリングをプレイしていて気付いている方も多いでしょうが、狭間の地は日光がない世界なんですよね。
正確には、太陽という存在は認知されていても、その役割が黄金樹に取って代わられた世界です。
あの世界は黄金樹の光によって自然の生態系が築かれてるわけですね。
黄金樹の光によって育った草木を草食動物は糧にして、それを肉食動物が食べる。
いわゆる黄金の食物連鎖が成り立ってるわけです。
で、キノコがどこに関わっているかというと
自生しながら土木を腐らせる。
つまりこの作品のキーワード、腐敗ですね。
この黄金樹の世界に存在しないはずの「腐敗」という現象
それは世界の理の変異、その不吉な予兆を意味していました。
黄金の世界の理
黄金律とはなにか?
その答えは作中で示されました。
「因果」と「回帰」
黄金樹に命を還すことを理としている「還樹」による命のサイクルが成り立つ世界。
死王子の修復ルーン曰く黄金律は運命の死を取り除くことを起源としており、黄金樹は永遠に繁栄するものとして信仰されました。
血肉は決して腐らずに肥料として、黄金樹や草木を豊かにする。そんな世界だったわけです。
壺村の花が咲き誇っているのも、彼らが集めた血肉が零れ落ちて、それが肥料となったためであり、黄金樹に捧げられているのと同じ原理。
そして、狭間の地で育って金色に帯びた獣血は決して腐らないというこのテキスト。
この世界の草木や肉を食らう生物はずっと出来立てホヤホヤの金の排泄物を掃き出してます。
スカラベから何故「戦灰」が見つかるのかというと、人の死体を食らった獣の排泄物を延々と転がしているからです。
少なかれど黄金樹の恩寵を含んでいるため、聖杯瓶の中身の補充も務まるわけですね。
曰くそれはずっと大便である。褪せ人は旅路の中でいつも糞遊びしてるわけですね()
しかし、真なる永遠の世界は存在していませんでした。
素性剣士の初期装備である蒼布シリーズ曰く停滞はやがて淀みとなり、腐りゆく。
狭間の地における血や排泄物が淀み、停滞の理が壊れつつある世界。
それが腐敗をもたらすキノコの自生に繋がり、そしてその淀みが生命を侵す「毒素」を生み出したのでした。
糞壺
ヒビ壺を使った製作アイテムのひとつ
排泄物などを混ぜ合わせ、壺に封じたもの
それは発酵し、毒素と悪臭を増し溢れ出る
敵に投げつけ、猛毒を蓄積する
猛毒は、これを持つ者にも徐々に蓄積する
糞の穴はいつだって汚れているものだ
食物連鎖の崩壊
熊やらいろいろ巨大化した生態系が壊れてあんなことになっているのか。フレーバーテキストによるとやはり人を食らったことが原因。
狭間の地の生物の多くが、淀みつつある人血を摂取した結果、肥大化してしまったんですね。
結果、陸ほやは毒を掃き出さなければ爆発してしまう性質を持ってしまってます。
特にアリも巨大化しつつ地下に巣を作っていますが、こいつらは地下に根付いた結果、例のレイピアや身体の色付きなどから、朱い腐敗の影響が出つつある種族になっていることが窺えます。蟲として適応できたと取るべきなのか。
黄金樹の庇護を受けている世界の食物連鎖の中で生物の在り方が変化。
人が喰われる対象として最下層に位置するようになってしまい、これを繰り返し、生態系がこわれてしまったわけです。
狭間の地の生命の血肉が淀み、やがて腐ってしまう。
それは黄金律の不完全性を意味し、黄金樹による世界の崩壊へと繋がりました。
次回は、毒と腐敗について着目して詳しく語っていきたいと思います。